オゾン(O3)は酸素(O2)と酸素原子(O)によって構成される物質。自然に存在し、大気を自浄(脱臭・除菌)する働きをしています。
殺菌・脱臭はもとより、医療や農業、畜産など、世界的に活用の幅が広がっているオゾン。その大きな特長として、以下の点が挙げられます。
■殺菌作用が強い
塩素よりも強い殺菌力を持ち、塩素の1/5の濃度で、様々なウィルスや細菌を殺菌することができます。
■残留毒性がない
オゾン分子(O3)は、きわめて反応性の高い物質です。時間とともに安定した酸素(O2)に戻ろうとする性質を持っているため、反応後に残留物を出すことがありません。
■耐性菌を作らない
オゾンと細菌のタンパク質が化学反応を起こし、細菌の細胞壁(胞膜)が破壊されます。これにより、細菌の核が溶けて死滅するため、薬剤に対する耐性を持つ耐性菌が発生することもありません。
2020年5月14日、オゾンガス曝露による新型コロナウィルスの不活性化が確認されたことが、奈良県立医科大学から発表されました。
研究では、CT値330(オゾン濃度6ppmで55分間曝露)で噴霧を行った場合は1/1,000~1/10,000まで、CT値60(オゾン濃度1ppmで60分間曝露)で噴霧を行った場合は1/10~1/100まで、新型コロナウィルスを不活性化することに成功しています。
タクミクリンはこの実験同様、CT値60で除菌噴霧を行うため、新型コロナウィルスを1/10~1/100まで不活性化する効果が期待できます。
目的:タクミクリン実機を用い実使用環境でのオゾン濃度推移を検証
日時:2022/2/24~27
天候:晴れ
温度:20℃
相対湿度:18%
場所:オーニット株式会社 旧本社工場製造フロア
結果:本試験条件では、オゾン濃度が最大0.8~1.5ppmに到達することが確認できた。
また、255分経過後はオゾン濃度が減少し3時間ほどで0.1ppm以下になった。
目的:走行ルート、噴霧ポイントを作成し、夜中の無人環境下で自動走行、自動噴霧を実施し、洗浄度の効果を検証
日時:2021/11/3
場所:豊田スタジアム ギャラリー内(部屋サイズ:225.5㎡)
結果:狭小通路幅でも自動で走行し、翌朝のオープン時には、オゾンの残留もなく(O³からO²へ変化)、除菌された空間を作り出すことが出来た。測定ポイントでは、ルミテスターを使用し、洗浄度の効果を確認することができた。
当サイトでも度々ppm、CT値といった単位を使用していますが、どちらもあまり耳馴染みのない、聞いたことはあっても正しく意味を知らない、という方も多いかと思います。
ppm(Parts Per Milion)は、空間中におけるオゾンガスの濃度を表しており、以下の式で求めることができます。
オゾン濃度(ppm)
=オゾン発生量(mg/h)÷空間の容積(m³)÷2.14
CT値(Concentration-Time Value)は一定濃度のオゾンを一定時間曝露する値で、細菌やウィルスを不活性化させる力の評価指標です。
CT値=オゾン濃度(ppm)×曝露時間(min)※当サイト内で使用している用法であり、言葉そのものの定義より限定的な意味です。
オゾンの有益性が取り沙汰される反面、その有害性・危険性についても知っておく必要があります。
オゾンは前述の通り、低濃度で自然界に存在している物質ですが、強い酸化力を持つため、過度に吸引すれば人体に害を及ぼす危険性を持っています。
日本産業衛生学会はオゾンに関する作業環境での許容濃度を8時間労働環境において0.1ppm以下と定めていますが、オゾンには独特の臭気があり、嗅覚が敏感な人なら0.02ppmくらいからその臭いを察知することができると言われています。
タクミクリンは、CT値60(1ppm×60min)で除菌を行いますが、タイマー運転できるオゾン発生器を搭載した自律搬送ロボットなので、無人環境での作業が可能なのです。
※オーニット社での実験データより引用
オゾン濃度は換気や有機物との反応・分解、時間経過など様々な要因で下がっていきます。
オーニット株式会社が行った実験によると、オゾン発生停止後約30分で、空間内のオゾン濃度は1ppmから0.06ppmまで減少しました(グラフ参照)。
実験概要デシケータ内に1ppmのオゾンを注入し、庫内のオゾン濃度の消失時間を測定する
・デシケータ容量:120L
・庫内温湿度 :24℃/75%RH
・オゾン濃度計 :荏原実業製EG-2001R